ストーリー性のある商品で消費者の心をつかむ!「物語」と「体験」の時代
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ストーリー性のある商品で消費者の心をつかむ!「物語」と「体験」の時代

2024.07.18

消費者の価値観は常に変化しています。かつては「物」そのものの価値が重視されましたが、今の若者、特にZ世代は「物語」と「体験」を求めています。

単なる商品ではなく、その背景にある物語、ブランドのバックボーンを含めて価値を判断するのです。この変化は、雑貨業界に新たな課題をもたらしています。

目次

物語を買う若者たち

物語を買う若者たち

今の若者は、同じようなロゴが入っているだけの服でも、インスタグラムなどでカッコよく見せられていれば、高価格でも購入します。彼らが求めるのは単なる商品ではなく、それに付随する物語なのです。

例えば、作り手がカッコいい、使っている人が憧れの存在だ、といった背景があれば、商品の魅力は何倍にも膨らみます。

21歳の男性がジェルネイルをするなど、若い男性のファッションやビューティーへの関心も高まっています。彼らは安価な商品も買いますが、同時に「作っている人がカッコいい」という理由で高価な商品も購入します。つまり、物語があれば、ロゴを乗せただけの商品でも高価格で売れるのです。

一方、物語のない商品は安価でなければ売れません。ここに雑貨業界の苦悩があります。物語を作る創造力も、大量生産で圧倒的に安く作る力もない中小企業は、この新しい消費傾向に苦しんでいます。

ストーリー性のある商品の難しさ

ストーリー性のある商品の難しさ

では、ストーリー性のある商品を仕入れて売ればいいのでしょうか。しかし、それも簡単ではありません。想いのある商品を作る人は、その想いを理解してくれる人に売りたいと考えます。単に利益を求める仕入れ業者には、そういった商品を任せたくないのです。

例えば、廃棄処分の野菜を使ってクレヨンを作るシングルマザーの話が最近話題になりました。彼女の物語に共感する人が増え、ビジネスとして成功しました。しかし、全ての商品がこのようなストーリーを持つわけではありません。商売の軸足をどこに置くべきか、その判断が難しいのです。

仕入れ販売の甘い罠

仕入れ販売の甘い罠

では、なぜ仕入れ販売を始めるのでしょうか。その答えは「リスクの少なさ」です。自社製品を作ると、在庫リスクや失敗のリスクが高くなります。

その苦しい経験から、一時的に仕入れ販売に逃げ込んだ企業もあります。しかし、仕入れだけでは十分な利益が出ません。結局、自社製品の開発に軸足を戻すことになります。

一方、個人規模の若い起業家は増えています。彼らはストーリーを作り、希少性のある商品を販売し、共感してくれる人から収入を得ています。しかし、組織としての企業は、リスクを避けがちで、なかなか大胆な戦略に踏み切れません。

変わる消費者ニーズ

変わる消費者ニーズ

スマートフォンアクセサリーが爆発的に売れていた時代、仕入れ商品だけで成功できると思われていました。しかし、消費者の関心はアクセサリーから端末内のコンテンツやアプリへと移りました。「外側」よりも「中身」が重視されるようになったのです。

このような変化の中、仕入れ商品だけでビジネスを続けていくことは非常に厳しくなっています。買い手が求めるのは低価格です。さらに、中国のファストファッションEコマース「SHEIN」のような巨大プレイヤーの登場により、日本の消費が海外に流れています。

今後5年で、雑貨店の半分が縮小するかもしれません。

オリジナル商品と体験提供で生き残る

オリジナル商品と体験提供で生き残る

では、どうすれば生き残れるのでしょうか。答えは「オリジナル商品」と「体験提供」です。

他社の参入障壁が高いオリジナル商品を持てば、そのマーケットを独占できます。逆に、誰でも参入できるマーケットは、100均や300均のような低価格店に市場を奪われます。

Z世代は、お金をかけるべきところにはしっかりとお金をかけます。彼らにとって、モノを買うことは単なる消費ではなく、体験なのです。その体験を提供できるかどうかが重要です。

例えば、化粧品業界では、インフルエンサーの情報発信が購買に大きな影響を与えています。かつては「説明のいる」商品は売れないと言われましたが、今はその「説明」自体が動画などで魅力的に提供されます。

コンシーラーは良い例です。団塊世代はシミを隠すアイテムとして使っていましたが、Z世代は顔の立体感を出すために使います。その使い方を動画で学べるため、コンシーラーはマストアイテムになりました。このように、使い方や使った後の生活イメージが沸きやすい商品は、高い価格でも売れるのです。

まとめ:物語と体験の力

まとめ:物語と体験の力

雑貨業界は大きな転換点にあります。単なる商品ではなく、物語と体験を提供する必要があります。仕入れ販売だけでは難しく、オリジナル商品の開発が求められます。しかし、それだけでは不十分です。

商品に物語を付与し、その使い方や効果をインフルエンサーや動画を通じて魅力的に伝える。そして、購買を単なる消費ではなく、価値ある体験として提供する。

これは簡単ではありません。創造力、マーケティング力、そして何より消費者への深い理解が必要です。しかし、この変化に適応できた企業だけが、激変する雑貨業界で生き残ることができるでしょう。

「物語」と「体験」を売る時代、それは危機であると同時に、新たな成功の機会でもあるのです。

(本記事は株式会社R様協力のもと制作しております)

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