「仕入れ販売の難しさ」変革の時代の雑貨業界に潜む課題
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「仕入れ販売の難しさ」変革の時代の雑貨業界に潜む課題

2024.07.17

(本記事は株式会社R様協力のもと制作しております)

雑貨業界は常に変化し続ける市場です。10年前、大手チェーンの専門店との取引があった時代から、業界は大きく変わりました。

最大の変化は、店舗での発注権限の喪失です。かつては各店舗に「目利き」と呼ばれるバイヤーがいました。彼ら彼女らは商品を見て、その価値や面白さを判断し、店舗に合った商品を選んでいました。

しかし、大手チェーンの業績悪化に伴い、発注業務が本部に集中するようになり、店舗のバイヤーは自分で商品を選び、レイアウトやディスプレイを考える仕事がなくなりました。

雑貨業界は給料がそこまで高くないのですが、商品への愛と「面白い」という感覚があったからこそ、多くのバイヤーが働いていました。本部マターの仕入れ販売に変化したことで、単なる低賃金の仕事になってしまい、優秀なバイヤーが業界を去っていったのです。

目次

仕入れ販売の変化 その1- キャラクター商品の罠

仕入れ販売の変化 その1- キャラクター商品の罠

仕入れ販売の変化に伴い、大手チェーンはキャラクター商品に頼るようになりました。サンリオのキティちゃんやディズニーキャラクターなど、知名度の高いキャラクターを中心に売り場を作れば、誰でも管理できるからです。

しかし、この戦略には大きな落とし穴があります。キャラクターの人気が落ちると、その売り場全体が苦しくなるのです。

一方で、コアなファンは常にいるため、東京駅のキャラクターストリートのような専門店は生き残れます。ただし、一般の雑貨店では、キャラクター頼みは危険です。初めは簡単ですが、長期的には不安定なのです。

仕入れ販売の変化 その2- 流行りものの罠

仕入れ販売の変化 その2- 流行りものの罠

雑貨業界のもう一つの罠は、流行りものです。ハンドスピナーのようなブーム商品は爆発的に売れますが、すぐに100均に並び、在庫を抱えて損失を出すリスクがあります。

むしろ理想は、「3割バッター」と呼ばれる商品です。華々しくは売れませんが、知らないうちに売れ続ける商品です。これが商売の「ごはん(主食)」、つまり基盤になります。そして、時々の流行りもの(「おかず」)で売上を伸ばすのが賢明です。

仕入れ販売の難しさは、常に新商品を探し続けなければならないことです。SNSなどで情報収集し、展示会で次の流行りそうな商品を見つけます。

しかし、見つけた商品が必ず売れるわけではありません。さらに、人気商品は供給が追いつかず、需要が落ち始めたころにようやく仕入れられるという皮肉な状況もあります。

価格競争の罠と生き残りの秘策「独自ルートの開拓」

価格競争の罠と生き残りの秘策「独自ルートの開拓」

韓国コスメブームの例は、価格競争の危険性を示しています。人気絶頂時は高値でも売れましたが、やがて仕入れ価格と変わらない値段で販売される商品が出てきました。

仕入れ販売は価格をコントロールできないため、100均やシリーズ店との価格競争に巻き込まれると、勝ち目がありません。

このような困難な中、「何でも屋さん」の精神で生き残ってきたのが株式会社Rです。

現在はアクセサリーを中心に扱い、独自の仕入れルートを持っています。

通常、海外からの輸入はドル建てですが、独自ルートを持っている株式会社Rは中国から元建てで仕入れています。元は中国政府がコントロールしているため、為替変動の影響を受けにくく、安定した原価を維持できます。

さらに、日本円で支払えるエージェントを見つけ、為替リスクを最小限に抑えています。海外送金もペイオニアを使い、円建てで3%の手数料で済ませています。かつては商社を通すと10%の手数料がかかり、最低100万円の取引が必要でした。

しかし、個人でのネット販売が増えた今、そういった障壁は低くなっています。

まとめ:3割バッターと流行りもの

まとめ:3割バッターと流行りもの

雑貨業界での仕入れ販売は、常に変化する市場、価格競争、在庫リスクなど、多くの困難と隣り合わせです。

しかし、独自のルートを開拓し、為替リスクを抑える工夫をすれば、生き残る道はあります。「3割バッター」の安定商品を基盤に、時々の流行りものを上手く取り入れる。そして何より、業界の変化に敏感に反応し、柔軟に戦略を変えていく。これが雑貨業界で長く生き残る秘訣なのです。

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