売れる商品の共通点とは?商品作りや商品計画の立て方のポイントを解説

売れる商品を作るには、市場のニーズやトレンドを把握し、売れている商品の特徴や共通点を分析することが大切です。

本記事では、メーカー・卸売業者に向けて、売れる商品の共通点と、商品作りや商品計画を立てる際のポイントを解説します。売れる商品の本質を理解し、より効果的な仕入れや商品開発につなげましょう。

なぜ商品は売れる?売れる商品の5つの共通点

売れる商品とは「売り手が売りたい商品」ではなく、「買い手にとって魅力がある商品」のことです。売り手目線だけで商品計画を立てると、買い手のニーズとズレが生じて売れないおそれがあるため、買い手目線で売れる商品を分析することが大切です。

買い手目線に立って売れる商品を分析すると、5つの共通点が見えてきます。

 1. バイヤー視点で魅力がある
 2. ブランド力がある
 3. 機能性やデザイン性が高い
 4. オリジナリティがある
 5. 商品の目的が明確である

ただし、これらのポイントを満たしていれば、必ず商品が売れるわけではありません。売れる商品にするためのブランド戦略やマーケティング施策など、売り手の総合力も試されます。

ここでは、商品の魅力とそれを支える企業の力に触れながら、売れる商品の5つの共通点を解説します。

バイヤー視点で魅力がある

消費者にとって魅力ある商品でも、バイヤーが仕入れなければ市場に出回らず、売れる商品にはなりません。そのため、売れる商品は共通してバイヤーにとっても魅力的です。

バイヤーにとっての魅力とは、仕入れたあと売上につながることです。そのため、売り手は、バイヤーが「売れそうだ」と感じられるように売り方や提案方法を工夫する必要があります。

バイヤーに魅力を感じてもらうためには、次のポイントを意識した販売戦略が重要です。

 ・商品の魅力:市場のニーズやトレンドに合っている
 ・売れる根拠:販売実績やトレンドデータがある
 ・明確なターゲット層・販売戦略:売るイメージをもてる
 ・低リスク:小ロットで仕入れられる

これらのポイントを押さえていれば、バイヤーは「売れそうだ」と感じて、自信をもって仕入れられます。

新商品や新規参入者のように販売実績がない場合は、「ネクストエンジン」のデータが役立ちます。

ネクストエンジンはEC業務を一元管理できるプラットフォームで、流通データを活用したトレンド予測が可能です。このデータを活用して、バイヤーに売上予測や類似商品の実績を示すことで、仕入れの判断を後押しできます。(流通データは現在開発中)

また、卸・仕入れサイト「encer mall(エンサーモール)」のバイヤー相談窓口では、データ分析や商品探しに時間を割けない業者に対し、利益率の高い商品や効果的な戦略の提案を行っています。

こうしたプラットフォームやシステムを活用することで、売り手はバイヤーにとって魅力的な商品を提供することが可能です。

ブランド力がある

ブランド力が高い商品は、認知度や信頼性の高さから、売れる商品になりやすい傾向があります。

たとえば、大手お菓子メーカーの商品をイメージしてみてください。店頭でポップを目にするだけで、新商品を試したくなることはありませんか。これはメーカー名がブランド化しており、「売れる要素」として機能している例です。

もちろんブランド力はメーカー名に限りません。商品自体にブランド力をもたせることも可能ですし、既存商品のブランド力を高めることで売れる商品に進化させることも可能です。

ブランド力を高めるには、商品設計のほかに一貫性のあるブランディング施策を展開し、買い手の印象に残るブランドに育てる必要があります。

機能性やデザイン性が高い

売れる商品を分析すると、消費者の課題をピンポイントで解決できる機能性や心をグッとつかむデザイン性など、優れた特徴があります。

たとえば、ダイソンのコードレススティッククリーナーは吸引力の高さが評価され、日本における累計販売台数が1,500万台を超えました。(※1)家庭用掃除機としては決して安くない価格ですが、利用者の95%が「次も購入したい」と回答するほど満足度が高い商品です。(※2)

ポイントは、高い機能性が掃除を楽にし、消費者の「掃除の負担を軽くしたい」というニーズを満たしているところにあります。

ただし、商品によっては機能性・デザイン性が高くても、価格が高すぎると売れません。そのため、バイヤーは市場ニーズと合致した機能性・デザイン性の商品を仕入れたいと考えています。売れる商品を作るには、メーカー側が市場ニーズに合わせて適切に商品設計を行う必要があるのです。

※1 2008年1月から2024年10月までの日本における累計出荷台数(ダイソン調べ)
※2 日本全国のダイソンのコードレススティッククリーナーユーザー1万5,919名を対象に2024年11月に実施したオンライン調査の結果にもとづく(ダイソン調べ)

オリジナリティがある

売れる商品には、競合商品と差別化できる独自の強み、すなわちオリジナリティがあります。オリジナリティがある商品は、類似した商品が多数存在する市場でも、売れる商品になり得るのです。

同じ価格帯の商品があるとき、消費者は以下のような点を比較して購入を決めます。

 ・ブランド
 ・コンセプト
 ・品質・材質
 ・機能性
 ・デザイン
 ・付属品
 ・希少性

購入の決め手は、消費者の年齢層や属性によって大きく変わります。

たとえば、ひとり暮らしの社会人が炊飯器を購入するときには、狭いキッチンに置けるコンパクトなサイズ感や、水と無洗米をセットしておけば自動で炊飯してくれる機能性といった特徴が決め手になりそうです。

オリジナリティのある商品を開発するためには、自社のターゲットを綿密に分析してニーズを的確に捉える必要があります。

商品の目的が明確である

売れる商品は「なんのために存在するのか」「どのような課題を解決するのか」など、目的が明確です。商品の目的はターゲットによって異なります。

たとえば、ワイヤレスイヤホンの例を考えてみましょう。

 ・ビジネスパーソン向け:ノイズキャンセリング機能で集中力を高められる
 ・スポーツ愛好者向け:防水・軽量設計で運動中も快適に使える

このように、消費者は「商品そのもの」以上に「使うことで得られる結果」に価値を感じます。売れる商品を作るには、ターゲットに応じた目的を明確にしたうえで、目的に沿った訴求をしていきましょう。

売れる商品を作る際の3つのポイント

売れる商品の共通点を踏まえると、商品開発では次の3つのポイントを押さえることが重要です。

 1. ブランド力を高める
 2. 機能性やデザイン性を高める
 3. 商品の魅力や存在意義を深掘りしオリジナリティを高める

売れる商品を作りたいとお考えなら、一度自社の商品の作り方を見直し、上記のポイントを押さえられているかどうかを確認してみましょう。

ブランド力を高める

ブランド力は、競合商品との差別化ポイントです。ブランド力を高めることで、バイヤーに自社商品を選んでもらえるようになります。商品を世に送り出すことができれば、売れる商品になれるチャンスが高まります。

ブランド力を高めるには、ブランドコンセプトを明確化し、一貫した発信を行うことが重要です。「だれに・なにを提供するブランドなのか」を定義づけ、それにもとづいてデザインやメッセージを統一します。

ブランドコンセプトが確立したら、以下の施策を展開して、市場にブランドを浸透させます。

 ・デザイン・ビジュアル要素を統一する:一貫したブランドイメージを確立する
 ・ブランドストーリーを発信する:消費者の共感を得る
 ・SNS・口コミマーケティングを活用する:消費者と直接つながる場を作る

売れる商品を作るために継続的なブランディング施策を行いましょう。

機能性やデザイン性を高める

売れる商品を作るには、市場のニーズを正確に把握し、競合との差別化を図ることが重要です。そのため、商品開発の過程で機能性やデザイン性のブラッシュアップを繰り返します。

まず、市場調査の段階で、競合商品や自社商品の機能を比較し、不足している機能や効果がないかを調査します。商品に取り入れられるかどうかも含めて、コンセプトを明確にしましょう。

その後、試作品を作成し、テストマーケティングを行うのが一般的です。この段階で顧客から得られたフィードバックをもとに、機能性やデザイン性を改善します。

こうしたプロセスを経て、商品の魅力を向上させられると、競争力のある売れる商品へと進化させることが可能です。

商品の魅力や存在意義を深掘りしオリジナリティを高める

他社にはない価値を示すにはオリジナリティが重要です。

たとえば、もともと歯科医院向けの歯ブラシの開発・販売に特化していたラピス株式会社は、カーボンニュートラルを目指して材料を変更したところ、独自性の高い「お米でできた歯ブラシ」を生み出しました。

オリジナリティを高めることが目的ではなかったものの、結果として競合との差別化につながっています。このように、オリジナリティを高めるためには、発想の転換が大切です。

オリジナリティを高める方法には、以下の例があります。

 ・既存商品の新しい使い方を提案する
 ・形状やサイズを変える
 ・組み合わせて新しい価値を創出する
 ・素材・材質を変える
 ・ストーリーや地域性を加える

これらの方法を踏まえて、自社商品や競合商品を多角的に分析してみると、オリジナリティを高めるヒントが得られるでしょう。

出典:中小企業庁「ミラサポplus」https://mirasapo-plus.go.jp/jirei-navi/case_studies/2437

商品計画を立てる際の5つのポイント

ここでは、商品計画を立てる際に押さえておきたい5つのポイントを解説します。

 1. 実際の売上データを確認する
 2. 競合となる商品を調査する
 3. 仕入れ価格や販売管理費を見直す
 4. 商品のニーズを理解し、販売予測を立てる
 5. 適切な販売経路を設定する

売れる商品にする、また開発するためには、商品計画が重要です。商品計画を立てるなかで市場と顧客への理解を深められると、自社にとって売れる商品が見えてきます。5つのポイントに沿って、商品計画を立ててみましょう。

実際の売上データを確認する

商品計画を立てる際は、売上データを分析し、売れている理由や商品の魅力を把握することが重要です。売上の推移や顧客の購買傾向を分析することで、市場のニーズや消費者が求めている価値を明確化できます。

特定の時期に売上が伸びる商品は、季節の影響を受けている可能性があります。また、売れ筋商品とそうでない商品の違いを比較することで、価格・機能・デザインなどの要因を特定し、次の商品開発に活かすことが可能です。

競合となる商品を調査する

競合商品を調査した結果をもとにすると、自社商品の強み・弱みや差別化ポイントを明確にできます。

このとき、以下のポイントを押さえて調査することが重要です。

ポイント

概要

ニーズの有無
市場で同様の商品やサービスに対する需要が存在するかを確認し、自社商品の市場適性を判断する
価格の適正性
競合商品の価格帯を調査し、自社商品の価格設定が市場において競争力をもつかを評価する
機能性の比較
競合商品の特徴や性能を分析し、自社商品が提供する機能やサービスが市場で優位性があるか、または不足している点がないかを洗い出す

競合商品の調査は、新商品を開発するときに限らず、継続的に行う必要があります。それができれば、市場の変化に素早く対応し、自社商品の改善や新たな戦略の立案につなげられるでしょう。

仕入れ価格や販売管理費を見直す

仕入れ価格や販売管理費の見直しは、利益率向上のために重要です。
仕入価格を交渉したり、価格を比較して仕入れたりといった施策で、仕入れ価格を見直せます。また、過剰に在庫があると販売管理費を圧迫してしまうため、在庫管理も重要です。

日頃から売上や在庫データを収集し、リアルタイムに分析できる状態にしておくことが大切です。ネクストエンジンのように、仕入れから販売までの業務で発生するデータをリアルタイムに管理できるプラットフォームが役立ちます。

こうしたプラットフォームやシステムを活用し、定期的に仕入れ価格や販売管理費を見直せば、利益率の向上につながるでしょう。

商品のニーズを理解し、販売予測を立てる

商品計画を立てる際は、商品の需要を正確に把握し、適切な販売予測を立てることが重要です。

たとえば、カイロは冬に需要が集中するため、冬を迎える前に仕入れる必要があります。過去のデータをもとに販売量の予測を立てておけば、冬が明けたとき大量に売れ残るような計画にはならないはずです。

季節変動だけではなく、顧客が商品を購入する動機やタイミングを分析することで、ターゲットに合った商品の販売戦略を立てられます。販売データを活用して商品計画を立てると、より売れる商品を発掘できるでしょう。

適切な販売経路を設定する

販売経路は商品の特性や顧客の購買行動に大きく影響するため、適切に設定する必要があります。

靴のように試着が必要な商品は、実店舗で購入したい消費者も多いでしょう。一方、書籍や家電製品など事前情報で購入判断が可能な商品は、オンラインで購入しやすいと言えます。

このように、商品特性を考慮したうえで、適切な販売経路を選ぶことが重要です。

商品販売で利益を出すために知っておきたい2つのこと

商品販売で利益を出すためには、売れる商品を探す・作るほか、以下の2点が重要です。

 1. 品揃えを工夫してオリジナリティを高める
 2. 「売れる商品」と「良い商品」のバランスを考える

商品そのものの魅力に頼るだけではなく、「売れる商品にするための工夫」も意識してみましょう。

品揃えを工夫してオリジナリティを高める

品揃えを工夫してオリジナリティを高めると、バイヤーの目を引き、商品が売れやすくなる可能性があります。

特定の販路でのみ入手可能な商品や、市場に出回っていない独自の商品をラインナップに加えることで、売れやすさが向上するでしょう。

たとえば、Hamee株式会社のゲーミングモニターブランド「Pixio」のモニターは、encer mallでしか扱っていないため、よく売れています。

品揃えの工夫によってオリジナリティを高めることで、競争力の強化につながります。

「売れる商品」と「良い商品」のバランスを考える

売れる商品が必ずしも利益につながるとは限らないため、両方をバランスよく取り揃える必要があります。

 ・売れる商品:消費者のニーズに合致し、市場で高い需要をもつ商品
 ・良い商品:粗利率が高い商品や在庫回転率が高く、利益につながる商品

消費者にとっては売れる商品が魅力的ですが、企業は利益を出さなければ存続できません。そのため、利益につながる良い商品も適度に取り入れることが大切です。

一方、売れる商品は話題性や流行性が高く、扱うことで企業の認知度向上や顧客獲得につながるため外せません。

このように、売れる商品・良い商品のどちらもそれぞれに役割があるため、バランスよく扱うことが大切です。

売れる商品の特徴を知り商品作りや商品計画に活かそう!

売れる商品は、消費者のニーズと合致していて魅力的です。

売れる商品を作るには、市場ニーズを正しく分析し、自社のターゲットを意識することが大切です。また、ブランド力の向上や機能性・デザイン性・オリジナリティによる競合との差別化も欠かせません。

ただし、売れる商品だけを集めても利益成長は望めないため、利益を出しやすい「良い商品」も適度に揃えることが必要です。バランスの良い品揃えのためには、常に在庫状況がわかるようにし、いつでも調整できる状態が求められます。

encer mallなら、ネクストエンジンとの連携で、流通データをもとにしたトレンド分析を行えます。(流通データは現在開発中)そのとき売れる商品を見極め、品揃えを工夫することも可能です。気になる方は、資料をご覧になり、詳しい機能や利用のメリットをご確認ください。

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なお、ネクストエンジンはencer mall以外のサイトで取引した商品についても一元管理できます。30日間無料でお使いいただけますので、ぜひ機能をお試しください。

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【ディスクリプション】
売れる商品には共通点があります。この記事では、売れる商品が少ないとお悩みの企業や自社の主力商品を作りたい企業に向けて、売れる商品の特徴や作り方、商品計画の立て方を解説します。

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